久しぶりのブログ担当の川村です。
さて、私去る3月3日に福岡県久留米市にある久留米大学で開かれた健康・スポーツ科学センター20周年記念講演フォーラムに当クリニック院長とともに参加してまいりました。
テーマは「運動・スポーツの可能性」でした。
中でも非常に興味深かったものは宇宙医学を用いて運動の重要性を説く講演でした。
宇宙では皆さんもご存じの通りふわふわ浮いている無重力状態です。その状態が続くと筋骨格系にほとんど負荷がかからずそれが原因で筋力と骨量の低下が起こります。実は地球上でのベッドレスト(寝たきり)はこの無重力状態と同等のもので、ベッドレストが長く続くと筋量・筋力そして骨量も減少してしまいます。骨量に関しては一度失ってしまうと、体の部位によってはなかなか回復が期待できません。
老化でも筋量・筋力の低下が起こります。更に変形性の関節痛、骨粗鬆症による骨折で、ベッドレストを余儀なくされる事が起こります。老化とベッドレストの合わせ技は非常に怖く、運動機能の低下を加速させます。
宇宙において宇宙飛行士は運動機能低下を防ぐために大掛かりな装置を使い運動負荷をかけるために多くの時間を割きます。同様に我々も適度な運動負荷を体に与えることで、運動機能の低下を予防できるのです。しかし、闇雲に運動すればよいというわけではなく、個人の症状、状態にあった個別の運動処方が大切であるとのことでした。
この講演を聴いて感じたことは動けなくなってから動けるようにするのではなく、動けるうちから動き、動けなくなる事を防ぐ努力がとても必要だと感じました。
大変ためになる演題はまだありますが、また次の機会に紹介させていただきます。
川村拓也